紅皿のサポートブログ

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紅皿 ver.0.1.6 をMicrosoft Storeに登録

紅皿 ver.0.1.6 をMicrosoft Storeに登録しました。Microsoft Defender の警告無しにインストールいただけるため、会社などでの使用でもOKが出やすくなるかとおもいます。

apps.microsoft.com

 

紅皿 ver.0.1.6 を Microsoft Store に登録するにあたり、色々と試行錯誤しましたので、そのうち記事に纏めます。

親指シフト関連の特許出願について(その2)

親指シフト関連の特許出願についての追記です。

 

実開昭58-16021号「キーの2重押下げ検知装置」

出願人:富士通株式会社

出願日 昭和51年(1976)10月28日

内容 キーボード同時打鍵シフトをハードウェアで判定する特許です。どうやらこれが親指シフトの最も古い出願のようです。本当にハードウエアロジックだけで同時打鍵を判定しています。

実開昭58-16021号 図面

特公昭62-44285号「日本字入力装置用鍵盤」

出願人:富士通株式会社

出願日 昭和53年(1978)3月29日

内容 45字以上もあるカナ文字を、オペレータが両手を定位置に置いた状態のもとでキー打鍵操作を能率よく行うことが課題です。効果として、文字入力速度は向上し、使用者の疲労は減少することが記載されています。これは、JISカナ配列との比較だとおもいます。親指シフト配列のプロトタイプが図示されているところが極めて興味深いです。

特公昭62-44285号 図面

実公昭61-42176号「キーボード」

出願人:富士通株式会社

出願日 昭和53年(1978)6月14日

内容 文字キーは親指シフトにかなり近いものとなりましたが、相変わらず親指キーは4つのままです。

実公昭61-42176号 図面

 なお、この配列図と親指シフト配列との違いは、ぁぅぇぉの拗音と・()の記号キーです。以下に差異を赤字で示します。

 

 

特公昭62-37405号「文字入力方式」

出願人:富士通株式会社

出願日 昭和53年(1978)9月22日

内容 2つ以上の鍵を同時に押すと、それ等の鍵の意味のある組み合わせとしての文字または記号が出力できる文字入力装置の発明です。

特公昭62-37405 第1図

 

特公昭63-46868号「文字入力方式」
出願人:富士通株式会社
原出願日 昭和53年(1978)9月22日 

内容 特願昭53-117268(特公昭62-37405号)の分割出願です。打鍵時刻に応じて同時打鍵か否かを判定する発明です。


特公昭63-49262号「文字入力方式」
出願人:富士通株式会社
原出願日 昭和53年(1978)3月29日 

内容 特願昭53-36455(特公昭62-44285号)の分割出願です。文字キーはシフトなし、および文字キーとシフトキーの組み合わせで入力する発明です。


特公平1-42408号「文字入力方式」
出願人:富士通株式会社
原出願日 昭和53年(1978)9月22日

内容 特願昭53-117268(特公昭62-37405号)の分割出願です。3つのキーが連続して打鍵されているときの同時打鍵を判定する発明です。

 

特公平6-82314号「キーボード同時打鍵シフト処理方式」
出願人:富士通株式会社
出願日 昭和60年(1985)5月17日

内容 200mSECたってキーが押されていない/かな文字キー押下/親指シフトキー押下/その他のキーの押下の4種類の分類符号をバッファB1,B2,B3に格納して出力コードを判定するものです。なお、第1表の注1の「200secたって…」は「200mSECたって…」の誤記と思われます。

特公平6-82314号 第1表

第1表の(14)は、文字キー⇒親指キー⇒文字キーの打鍵シーケンスを示しています。

「(14)の場合、T1はB3のキーが押されてからB2のキーが押されるまでの間、T2はB2のキーが押されてからB1のキーが押されるまでの間を示し、T1>T2の場合B3のかな文
字キーがB2のシフト付きで出力され、T1<T2の場合はB3のかな文字キーが出力後B1のかな文字キーがB2のシフト付きで出力される。」と記載されています。これにより、同時打鍵コードを的確に判定可能です。

特公平6-82314号 第2図

 第2図のキー配列は、いわゆる親指シフト配列です。ただし、NICOLA配列とは微妙に異なります。

親指シフト関連の特許出願について

 親指シフト関連の特許出願について調査してみました。

 

特公昭62-037405号公報「文字入力方式」、発明者は親指シフト開発で有名な神田泰典氏であり、出願日は昭和53年(1978)9月22日です。

親指シフトの配列とは全く違う配列です。

右手側中段に「あいうえお」を配列するほか、基本的に50音配列です。そして左手薬指下段に半濁点キーが設定されています。半濁点の入力方法について述べられていないので、どのように入力するかは不明です。

特公昭62-037405 第1図

 Wikipediaによれば、その直後の1979年(昭和54年)に、富士通親指シフトを発表しています。

  特開平1-116873号公報「文書処理装置における表示処理方式」には、現在の親指シフトと同様な配列が開示されています。この特許は、キー配列を画面表示して、操作方法をオペレータに表示する発明です。出願日は昭和62年(1987)10月30日です。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kenichiro_ayaki/20230812/20230812152948.png

 

 特公平7-54519号公報にも、現在の親指シフトと同様な配列が詳細に開示されています。出願日は昭和63年(1988)6月24日です。左右シフトキーに対応する部分に半濁音キーが配置されています。

 

 CAPSLOCKに該当する部分にカタカナ・英小文字、TABに対応する部分に英字・英大文字が配置されているなど、なかなか興味深い配列となっています。

 

紅皿 ver.0.1.6.03 のリリース

紅皿 ver.0.1.6.03 をリリースします。

 

https://osdn.net/projects/benizara/releases/

 

www.vector.co.jp

OneNote の検知と、keybd_event のDllCall がうまくコーディングできていなかったので、再度修正しました。コーディングし直しました。

 

余談ですが、さいきんOSDN の動作がやたらと遅いので困ったものです。他のサイトにもアップロードした方がよいかとおもいます。

vector のリンクを追加しました。

Autohotkey v2.0のIME制御用 関数群 IMEv2.ahk

IME制御用 関数群 IME.ahkを、Autohotkey v2.0 に移植しました。

移殖したと同時に、混同を避けるため IMEv2.ahk に変更しています。

 

qiita.com

 

github.com

MS-IMEGoogle日本語入力では大丈夫だとおもいますが、ATOK で動作するかは、充分にテストできていません。もし不具合がありましたらご連絡をお願いします。

 

 

紅皿 ver.0.1.6.02 のリリース

紅皿 ver.0.1.6.02 をリリースします。

 

osdn.net

 

環境によりOneNote の検知がうまくいっていなかったようなので、コーディングし直しました。

 

コードは以下です。アクティブウインドウのタイトルを取得して、"OneNote"と書いてあれは専用コードに分岐するというイマイチなプログラムです。でも、アプリケーションの判定はあまりエレガントな方法はないようです。

 

WinGetTitle, _szTitle,A

中略

if (instr(szTitle,"OneNote")>0)
{
if (_stroke == "{Up down}") ; Microsoft OneNote 対策
{
dllcall("keybd_event", int, 0x26, int, 0, int, 1, int, 0) ;Up
} else
if (_stroke == "{Up up}")
{
dllcall("keybd_event", int, 0x26, int, 0, int, 2, int, 0) ;Up
} else
if (_stroke == "{Down down}")
{
dllcall("keybd_event", int, 0x28, int, 0, int, 1, int, 0) ;Down
} else
if (_stroke == "{Down up}")
{
dllcall("keybd_event", int, 0x28, int, 0, int, 2, int, 0) ;Down
} else {
Send,% _stroke
}
} else {
Send,% _stroke
}